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別府温泉辞典

あ か さ た な は ま や ら わ

安山岩水 : andesitic water または andesite water

あんざんがんすい

 日本列島などの沈み込み帯の火山ガスでは、水素と酸素の安定同位体比がそれぞれδD = -10 ~-30‰ および δ18O = +5 ~+10‰ と、天水の安定同位体比とは異なる水(水蒸気)が見出されることがあります。それらの火山の溶岩は安山岩質なので、この高温水蒸気は安山岩水と名付けられました。大分県では、九重硫黄山の噴気に含まれています(北岡ら,1993)。
 この特殊な水の由来は、海洋プレートの沈み込みに伴って引き込まれた堆積物中の海水が変質したもの、とする考えが有力です。

執筆者由佐悠紀)
参考文献
  • 松葉谷治(1991):「熱水の地球化学」,裳華房.
  • 酒井 均・松久幸敬(1996):「安定同位体地球化学」,東京大学出版会.
  • 北岡豪一・由佐悠紀・大沢信二・竹村恵二・福田洋一(1993):九重硫黄山における噴気と湧出温泉水の安定同位体比,大分県温泉調査研究会報告,44,25-38.