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地球のはなし  別府温泉地球博物館 代表・館長 由佐悠紀

No.7
「上総掘り」

 今の別府温泉の湯の元は、ほとんどがボーリングされた井戸である。最初のボーリングは明治十一年と二十二年の二つの説があって判然としないが、ともかく、日本が近代化への道を歩み始めると、まもなく始まったのだ。「上総掘り」というのは、その井戸掘り技術のことである。
 その名から推察されるように、発祥は上総つまり千葉県の中部であった。動力は、人力である。先端に鉄のノミを付けた竹ひごで、突っつくように掘り下げるのである。だから、この温泉掘りは「湯突き」と呼ばれた。
 突っつき続けるためには、突くたびに下がる竹ひごを、効率よく持ち上げねばならない。それに、孟宗竹の弾力が利用された。
 昭和二十八年ごろまで、別府では、この湯突きが行われていたのだそうだ。深い井戸は、三百メートルにも達したという。つまり、この技術は別府で大いに発達したのである。別府温泉にとって、それほど重要な技術ではあったが、機械化が進んで、すっかり消え去ってしまった。ただ、その模型が別府の美術館に残っているだけである。
 もう、上総掘りを見ることはできないものと思っていたのに、先だって、NHKの番組が湯布院で再現してくれた。上総の袖ヶ浦市に保存されているものを運んできて、日本文理大学の学生さんが試みたのだ。成功には至らなかったが、伝統技術のすばらしさの一端は十分にうかがえた。別府でも、後世に伝える途はないものか、と思ったことであった。

【上総掘りの仕組みと歴史 - 千葉県ホームページから】
http://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/shou-chuu/furusato/documents/5syo_14.pdf#search=%27%E4%B8%8A%E7%B7%8F%E6%8E%98%E3%82%8A%27

  - 「大分合同新聞」夕刊  1995年5月6日 -


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