No.31
「世界地熱会議」
新聞やテレビなどで何度か取り上げられたので、ご存知の方もおられるであろう。今年(2000年)の5月31日から6月2日まで、世界地熱会議の前半分が、別府のビーコンプラザでひらかれる。
会議の主目的は、地球熱現象や地熱エネルギーの開発・利用に関する研究発表であるが、加えて、各国の地熱政策の紹介と意見交換、地熱に関する技術・情報の展示なども行われるので、自然科学・技術から経済・法律まで、非常に幅広い分野をカバーする会議といえる。
2月初めの情報によれば、発表される論文数は、日本からの184を含めて650から700ぐらいになるらしい。と、あいまいなのは、いくつかの論文については、受理するかどうかを検討中だからである。
論文の長さは6ページまでと定められているので、平均5ページとすると、なんと3000ページをゆうに超える。これに、参加者名簿やさまざまなアナウンスなどを加えると、大変なページ数になる。印刷すると、少なめに見積もっても、その厚さは20センチメートルに、重量は10キログラムにはなる。
そんな印刷物を持ち運ぶのは、大変なことだ。それで、今回の会議では、主媒体としてCD-ROMが採用された。いかにも現代風な解決策であるが、これを読むには、もちろんパソコンが必要である。しかし、すべての参加者がパソコン持参というわけでもないだろう。会議に何台か備えられるにしても、十分に対応できるだろうか? 主催者の末端に連なる者として、今ごろになって、ちょっと気になってきた。
- 「大分合同新聞夕刊」 2000年2月 -
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