2023.12.26
No.92「旅のバッグ」
いつもだと4月、5月は出張が少なく、事務量もやや減るので、幾分かは落ち着いた気分になるものなのに、今年はいささか事情が違う。年度末の慌しさを引きずっている感じで、ワープロのキーをたたいて書類を作っては、ファクスで送り出す日々が続いている。
それだけでは済まず、微妙なことは議論しなければならないから、出かけることになる。これは仕方のないこととしても、やっかいなのは、そんな資料類やこまごまとしたものをどうやって運ぶかである。必要そうなものは一切合財詰め込んで、しかも楽に運べるような、ぴったりした入れ物が欲しくなる。
週刊誌かなにかで、有名人の旅行バッグ拝見というような企画があった。バッグにはいろんなサイズのポケットが付けられていて、確かに便利そうではあったが、いくつものポケットを使いこなすのはかなり面倒なように思えたし、それに、そんなバッグの多くはブランド品だから、手を出すのを躊躇してしまう。
このところ、リュックを背負っている若い人の姿が目につく。カジュアルルックの先端であるらしい。気軽で便利そうなので、ブレザー姿ならそれほど変でもなかろうと、ちょっとした決心をして、試してみた。
なかなか具合がよかったのだが、スーツのときも使えるだろうか。
ファッションを変えるには勇気が要るようである。
ー1996.6 大分合同新聞 別府版ー
★温泉マイスターnoteにも掲載しています
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