由佐理事長の「“上総掘り”は、別府に温泉に関する大実験設備を構築した。」また、「別府温泉は、大実験設備の構築に耐えられる潜在力（ポテンシャル）があった。」との結論が印象的です。
「別府の上総掘りと温泉科学」ー 登録有形民俗文化財指定記念講演会ー
「別府の湯突（ゆつ）き用具」が 国の登録有形民俗文化財となりました。
大地から立ちのぼる「湯けむり」は別府を象徴する風景ですが、江戸時代に別府を訪れた貝原益軒は、別府のまちについて「民家五百軒ばかり、民家の宅中に温泉十所有、いずれもきよし、庄やの宅中にあるのはことにいさぎよし」と長閑な風景を書き残しています。
それから二百数十年、大正7年に別府を訪れたジャーナリストの千葉江東は、豊富な湯量に支えられて発展した別府のまちを「温泉に浮かぶ町」と評しており、明治後半から採用された上総掘りによる温泉掘削技術が泉都を生んだと言っても過言ではありません。
収日時：2020年5月21日（木）
第一部「上総掘り（別府方式）の技術と文化的価値」
秦 広之 別府市社会教育課主査
第二部「上総掘りが別府および温泉科学に与えた影響」
由佐悠紀 別府温泉地球博物館理事長、京都大学名誉教授
