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第8回大分市 大深度地熱温泉 ~非火山性温泉の魅力~シニア・マイスター 甲斐心也
今回はシニア・マイスターの甲斐が、大分県大分市の大深度地熱温泉を紹介します。
最初に紹介するのは、丹生温泉「和みの湯」です。キャノン大分工場に程近い、小高い丘の上にポツンと建つこの施設は、地元振興策として大分市が開発し、その後の施設整備は丹生校区振興会も協力、管理運営は大分市福祉会が行っています。ナトリウム塩化物泉の湯は、薄黄色にかすかに緑色が伺えるものです。丁寧な湯使いで、成分総量5g超のツルツル濃厚湯が生かされています。設備の清潔さに好感がもて、心地よく使える湯です。 次は市内中心部のビジネスホテル・クドウの「金池の湯」です。大分駅から車で3分ほどの市街地のビジホですが、知る人ぞ知る名湯です。平成23年11月のオープンで、当初は砂が混じるカサカサ感のある湯でしたが、今ではすっかり落ち着き、弱めの香りを伴う極上のモール泉になっています。清掃が行き届き清潔な浴室、芳しい香り、ツルツル感のある上質な湯触りの一級品の湯です。 もう一つ、秘湯をご紹介しましょう。大分市の中心部から国道10号線を県南方面に進み、府内大橋を渡った先の宮崎集落の奥まった所にある「宮崎郷温泉」です。地区の自治会長を永く勤められた方が、地区への恩返しとして開設したものです。湯は弱アルカリ性のモール泉で、43℃の源泉が多量に掛け流され、洗い場の排水が間に合わない程です。湯の色や香りからはそれほどの濃厚さを感じませんが、塩化物イオンが多く含まれるため、なかなかの入り応えがあります。場所が分かりにくいのがやや難ですが、掃除が行き届いて気持ちよく利用できる、お勧めの一湯です。 最後に紹介するのは「塚野鉱泉」ですが、ここは古くからの湯治場で自然湧出泉ですから、大深度地熱温泉とは言えません。大分市内とはいえ、仙境の佇まいを見せる山里にわずか一軒の旅館(少し前までは4軒の湯治宿がありましたが、次々と廃業し今は素泊まり専門の山水荘だけになりました)があるだけの場所に、霊泉が湧いています。明治17年に開湯の歴史ある湯治場ですが、早朝から大量に源泉を飲み、腹下しを起こして胃腸を洗浄するという珍しい飲泉文化が伝わっています。源泉は15.7℃の冷泉で、炭酸味と塩味金気、それにエグミある、成分総量12158mgの濃厚で個性的なもの。浴槽は沸かしで42℃、ここでは炭酸味はなく、湧出量が少ないため加水もあるようです。とはいえ、そもそも浸かるためのものではなく、飲んで内から効く飲用泉なのだから、これでよいのです。 今回紹介した3つ温泉の他にも、ガツンとくる濃厚食塩泉のキャセイホテル「キャセイの湯」や、フグ料理屋さんが営むちょっと高級感のある「良の湯 舞千花」、大正2年創業の大分市最古の温泉銭湯「王子温泉」など、名湯ぞろいです。また、大分駅ビルのJRおおいたシティ・ホテル棟の19階から20階にも温泉施設「シティスパてんくう」があります。
●丹生温泉「和みの湯」 |