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温泉マイスターがおすすめする温泉をご紹介いたします!
2022.9.26

第58回別府市営温泉シリーズNo.3
「堀田温泉」

執筆者シニアマイスター 甲斐心也

今回は温泉シニア・マイスターの甲斐が、別府市営温泉の堀田温泉をご紹介します。

 堀田温泉は別府扇状地の南を限る朝見川断層の最上流部にあたり、北の明礬温泉と共に一大地熱地帯となっています。しかし、水の供給源が乏しいため、温泉が噴気となって放出され、温泉水としての湧出量はごく限られています。
また、ここは古くから別府と由布院・日田・大宰府方面を結ぶ交通の要衝で、江戸時代初期に開湯し、ここ堀田(西)温泉を中心として温泉街が発展し、明治30年代には金田屋、濱屋、萬屋などの数件の温泉旅館が立ち並ぶなど、隆盛を極めました。

市営堀田温泉

 現在の堀田温泉は平成15年4月に市営温泉として新装オープンし、共同浴場の旧堀田西・東温泉は廃止されました。湯は市有堀田泉源で作られた噴気造成泉の単純泉ですが、かすかな硫黄香と黒っぽい湯の花が舞う薄墨色の湯色が特徴です。
 コロナ禍前は市営温泉では最も入浴客が多く、年間21万人(H24)で2位の浜脇温泉の19.5万人を引き離していました。 最新の令和2年度別府市営温泉利用者統計によれば、入浴者の総数は114万8122人で、前年比20.73%の減少です。コロナ感染予防のため無料開放イベントが取りやめられたことが大きな要因だと考えられます。
施設別では、不老泉16万.3千人、堀田温泉16万2千人、湯都ピア浜脇・浜脇温泉15万5千人、亀陽泉11万1千人、柴石温泉10万人、海門寺温泉8万4千人と続き、堀田温泉は5万人近く減少しました。

堀田温泉内湯

 市営堀田温泉のすぐ下に、「市有堀田泉源」があります。別府市温泉供給事業の起点となる施設で、湧水に噴気を当てて温泉成分を溶かし込み、同時に加熱しています。

堀田温泉源泉

 別府市HPによれば、「堀田泉源は今や浜脇線、富士見線、石垣線の源であり、湯の街別府を縁の下で実質的に支えているといっても過言ではないほどである。市営給湯は、昭和12年、浜脇地区に給湯を始めたのが最初である。現在の給湯地域は、前述した浜脇線、富士見線、石垣線(以上、堀田源泉)のほか、鉄輪・石垣線(鉄輪十万源泉)、亀川線(地獄田源泉)、亀陽線(亀陽泉源泉)、競輪線(競輪源泉)、柴石線(柴石源泉)の全7路線に分かれ、給湯管の総延長は35km に達している」とあります。
(『文化的景観 別府の湯けむり景観保存計画』第2部第5章第2節「温泉の給湯」より)

給湯ライン

 堀田源泉による噴気造成泉(天然温泉として認められている)は、地下から温泉水を汲み上げている訳ではないのです。大分県が発表している別府市の温泉湧出量102,777L/分(令和3年3月末)に噴気は含まれません。つまり、かなり数の地区共同浴場は、上記の湧出量の対象外という事なのです。
堀田温泉は古くから噴気を高くあげる事で知られていたようで、明治41年6月から大阪毎日新聞に連載された菊池幽芳の『別府温泉繁昌記』には、「ここの温泉は単純の硫黄泉であるが、不思議な事には、地を掘れば到るところに地獄を湧出するにかかわらず、冷泉である。(中略)面白いのは地獄の火気をこれに通ずるとわけもなく温泉になってしまうことで、浴場にはちゃんとこの設備ができているのである。この点においてよほど変わった温泉たるを失わぬ」と噴気造成の事が記されています。

堀田温泉露天風呂

平成21年3月6日の成分分析書では、溶存物質合計は0.448gで単純泉ですが、遊離二酸化炭素が608.4mg(H31.3.4では261㎎)もあり、成分総計は1.057gとなっています。ここの浴槽で炭酸味が感じられることはありませんが、使い様によっては、もしくは市有堀田3源泉の中で炭酸成分の多い泉源を選べば、二酸化炭素泉となるかもしれません。別府にない泉質の炭酸泉が出現するチャンスかも、これから3源泉の個別の分析値を調べてみようと思います。


*温泉マイスターnoteでも情報発信してます。
https://note.com/onsen_meister/n/nfeeb7f3b99bb

※これまでの「温泉マイスターおすすめの温泉」は下記のURlをご覧下さい。
https://note.com/onsen_meister/m/m4bd80cee2914


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