ある深夜、タクシーの営業所に湯上がりの濡れ髪の女性がきて「○○まで」と言って乗り込んだ。新米の運転手が「ちょっと待って下さい。トイレに行ってすぐ来ます」とトイレへ駆け込んだ。するとその女性客も「私もトイレに行こうかなぁ」とタクシーから降りて女子トイレに。そうとは知らない新米の運転手は女性が乗っているものと思い発車してしまった。営業所にいた二人のベテラン運転手たちは大笑い。「後部座席に誰もおらんのに気づいてアワ食って帰ってくるから脅かしてやろうや」と言うと客の女性もすっかりノッテ、営業所の戸口に濡れ髪をバラーッと垂らして立った。戸を閉める。灯りを消す。そこに慌てふためいてキキーッと急ブレーキで帰ってきた新米の運転手が、暗い営業所の戸を開けると濡れ髪の女が・・。ところが脅しが効きすぎて新米運転手はあまりの驚きにゴトーンと音を立てて倒れ後頭部を強打してしまったのだ。翌日、ベテラン運転手二人は社長に呼ばれて「お前たちは何かッ、ろくなことをせんッ。バカタレッ！」と叱られるわ、辞めるという新米を懸命に引きとめるわで大忙しだったとか。