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「せーので測ろう! 別府市全域温泉一斉調査」参加レポートシニア・マイスター 甲斐 心也
別府市・別府ONSENアカデミア実行委員会・別府市旅館ホテル組織連合会・特定非営利活動法人 別府温泉地球博物館・京都大学大学院理学研究所付属 地球熱学研究施設・大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 総合地球環境学研究所の共催で「第二回せーので測ろう! 別府市全域温泉一斉調査」が、平成29年11月18日(土)に全国から地球環境学や温泉・地学などの研究者を集め、温泉愛好家の協力の下に行われました。 本調査の案内パンフレットには、「別府市の生活や観光に欠くことの出来ない温泉。湯量や泉質はもちろん、温度も大切なポイントです。湯のまち別府の「財産」をしっかりと運用・管理するためには、継続的に記録を取りながら変化の有無を確かめることが重要です。一緒に温泉の科学とフィールド調査を体験しませんか。」と、その趣旨が記載されています。 11に分けられた各班でメンバーの自己紹介の後、今日の調査源泉の場所を確認し、事務局からの調査に当たっての注意点を確認したうえで、市内各所に向かって出発しました。 2番目の調査地点は上人南の個人宅です。ここは昨年も調査させていただいた所で、個人宅8軒が共同で所有されています。車も入れない狭い路地の奥に貯湯タンクがあり、直下の源泉から63.3℃(昨年の観測では63.7℃)の弱アルカリ性単純泉が、地下250mから汲み上げられています。人懐っこい白いワンちゃんが我々を歓迎してくれました。 最後は東荘園の「別府パストラル」で、ここも今年から調査地点に加わった宿泊施設です。フロントの担当の方にご挨拶すると、メンテナンスを請け負っている会社の方を呼んで下さいました。温泉棟の隣に大きな貯湯タンクがあり、2本の自家源泉の湯をここで混合して、浴槽に流しているとの事でした。分析書によれば「ナトリウム・マグネシウムー炭酸水素塩泉、51.2℃、PH8.0、成分総量1253㎎」ですが、この日の測定温度は46.4℃でした。
午後は主催者の総合地球環境学研究所の遠藤愛子準教授の挨拶、別府市副市長の阿南寿和氏の挨拶に続き、由佐先生の「別府温泉の源(もと)」と題するご講演を拝聴しました。次に大分県生活環境部保護推進室の担当者による「温泉資源監視基礎調査事業の概要」に関する説明と、3地点のモニタリング状況の推移の報告がありました。 最後に夜の懇親会での、九重町の温泉湧出量は数年後には、別府市を抜く事になるという驚愕の話題です。平成28年3月末の県の統計では、別府市が87,347㍑/分で、九重町が83,742㍑/分で、すでに由布市を抜き、別府市に肉薄しています。現時点で地熱発電のために九重町に届出が出されているのは、資源調査段階にあるもの5件、掘削段階にあるもの6件、発電所建設段階にあるものが2件となっていました。 |