炭素(C)1原子と酸素(O)2原子の化合物でCO2と表記されます。常温では気体で、炭酸ガスとも呼ばれます。冷却剤や舞台効果を高めるために用いられるドライアイスは、固体の二酸化炭素で、-79℃で昇華して気体に変ります。
私たちのエネルギー源として重要な石油・石炭・薪炭の類は炭素の化合物ですから、燃やすことにより、必ず二酸化炭素が発生します。
空気中にはおよそ0.03%(重量%)含まれていますが、近年、石油などの化石燃料使用量の増大によって大量のCO2が放出されたため、大気中の濃度が上がり、大気の温室効果が大きくなって、地球規模で平均気温が上昇するという「地球温暖化」が大きな環境問題となっています。
火山から噴出する火山ガス中には、主要成分として含まれており、温泉水中の炭酸成分の源となっています。
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由佐悠紀)
わが国の温泉を主管する環境省では、各都道府県からの温泉に関する年次報告をまとめて、会計年度末日における「都道府県別温泉利用状況」を一覧表として公表しています。取り上げられている項目は、次の通りです。
「管轄保健所数」・「市町村数」・「温泉地数」・「源泉総数(A+B)」・「利用源泉数(A)」・「未利用源泉数(B)」・「温度別源泉数」・「湧出量(L/分)」・「宿泊施設数」・「収容定員」・「年度別延宿泊利用人員」・「温泉利用の公衆浴場数」・「国民保養温泉地年度別宿泊利用人員」
これらのうち、「利用源泉数(A)」・「未利用源泉数(B)」・「湧出量(L/分)」には、「自噴」と「動力」の内訳数が記載されています。
また、「温度別源泉数」は、「25度未満」・「25度以上42度未満」・「42度以上」・「水蒸気 ガス」の4段階に分けた内訳数が記載されています。
平成23年3月末日現在の源泉総数は「27,671」。大分県の源泉総数「4,538」は、他を圧して多く、全国の16.4%に当たります。次に多いのは、鹿児島県の「2,784」です。
大分県発行の「平成23年度版環境白書」によれば、別府市の源泉数は「2,362」と報告されています。この数は、大分県全体の52.0%、全国の8.5%に当たります。
なお、環境省および大分県の資料は、それぞれのホームページで見ることが出来ます。
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由佐悠紀)
地熱によって加熱され、温度が高くなっている地下水を熱水と総称します。加熱のされ方の違いによって2種に大別されます。
まず、マグマから熱とガス成分を与えられて生じた熱水があります。大分県の別府温泉や九重地域の温泉をはじめ、世界各地の火山・地熱地域で見出されており、共通して、pHは中性、塩化物泉型の化学組成を示します。地熱水、深部熱水、あるいは中性食塩型熱水とも呼ばれ、多くの火山性温泉の源となっています。地熱発電に用いられる高温水蒸気は、そのような熱水が沸騰して、分離したものです。
水の起源としては、降水とマグマ由来の水(マグマ水)の2つが挙げられますが、水分子を構成する水素と酸素の安定同位体の研究から、大部分は降水起源と考えられています。
他方、堆積平野や堆積盆地などの地下深層に存在し、一般的な地殻熱流によって加熱された熱水があります。地表に取り出されたものは、非火山性温泉または深層熱水型温泉と呼ばれ、近年、全国各地で開発が進んでいます。1970年代から開発が本格化した大分平野(大分市)の温泉は、この型の熱水です。
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由佐悠紀)