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別府温泉辞典

あ か さ た な は ま や ら わ

炭酸水素イオン

たんさんすいそいおん

 二酸化炭素が水に溶けると、その一部が炭酸(H2CO3)となり、2段階に電離して、陽イオンである水素イオン(H)が生じ、弱い酸性を呈します。

H2CO3  ⇌ H + HCO3
HCO3 ⇌ H + CO32-

 生じた水素イオンの相手方の陰イオンのうち、第1段階の電離で生じた「HCO3」を炭酸水素イオンと言います。重炭酸イオンと呼ばれることもあります。イオン1個が1個のマイナス電荷を帯びています。
 第2段階の電離による「CO32-」は炭酸イオンと呼ばれ、イオン1個が2個のマイナス電荷を帯びています。
 溶液中の炭酸水素イオンと炭酸イオンの割合は、水素イオン濃度(すなわちpH)に左右されますが、中性付近では、ほとんどが炭酸水素イオンとなっています。

 ナトリウム(Na)を含む鉱物と炭酸が反応すると、ナトリウムイオン(Na)と炭酸水素イオンの溶液が生じます。

 [Naを含む鉱物]+ H2CO3 → Na + HCO3 +[別の鉱物]

 温泉ならば「ナトリウム-炭酸水素塩泉」ですが、台所用品として用途の広い炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)(別名:重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ、重曹)の水溶液と大変よく似ています。このため、旧称では「重曹泉」と呼ばれました。

執筆者由佐悠紀)