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別府温泉辞典

あ か さ た な は ま や ら わ

地熱

ちねつ

 半径約6370kmの固体地球の内部に蓄えられている熱エネルギーを、広い意味の「地熱」または「地熱エネルギー」と言います。膨大な量ですが、現在、比較的容易に掘削することができる3000m深での地温は100℃程度なので、私たちが接する地熱の多くは、レベルの低いエネルギーです。
 ところが、地球上には、火山・温泉地域のように、浅い所まで高温状態になっている地域があり、大量のエネルギーが放出されています。これが狭い意味での地熱(地熱エネルギー)で、そのような地域を地熱地域と呼んでいます。
 付表は、別府温泉から放出されているエネルギーを、いくつかの現象と比較して示したものです。このエネルギーは、巨大地震などと比べると小さいように見えますが、突発的ではなく、間断なく放出されていることに注目してください。少なくとも5万年にわたって、放出されてきたものと思われます。

付表: 地震・火山・温泉のエネルギー比較
「地震は、1回で放出されるエネルギー」
「火山・温泉は、1年間に放出されるエネルギー」
「1J(ジュール)≒ 0.24cal(カロリー)」
M9 の地震 2.0×1018 J
M8 の地震 6.3×1016 J
イエローストーン;上部(アメリカ) 2.8×1016 J/年
別府温泉 1.1×1016 J/年(M7の地震5個分)
磐梯山の噴火(1888年) 1.0×1016 J
九重硫黄山 3.2×1015 J/年
M7 の地震 2.0×1015 J
阿蘇中岳第1火口(安定期) 3.2~6.3×1014 J/年
M6 の地震 6.3×1013 J

執筆者由佐悠紀)
参照

コラム「はじめに 別府温泉の生成メカニズム