火山性温泉である別府温泉は、およそ5万年前に形成されたようです。温度が高く、多種多様な泉質のあることが特徴で、熱と化学成分の素は、鶴見火山群の地下深部に存在する塩化物泉型の熱水(温度250~300℃;塩化物イオン濃度1400~1600 mg/kg)から与えられています。水そのものは雨水を起源とし、別府全域の地下に分布する温泉水は、平均して約50年で入れ替わっています。
この熱水は、別府扇状地南縁の朝見川断層および北縁の鉄輪断層を流路として流れ出しており、別府八湯はこれら2本の流路に沿って位置しています。
熱水は流動の途中で沸騰して蒸気が発生するため、高地部には蒸気が分布しています。蒸気を失った熱水は、地下水で希釈されながら低地部へ向かい、塩化物泉になります。他方、蒸気に含まれる硫化水素から硫酸塩泉が、二酸化炭素から炭酸水素塩泉が生じます。これら三種の温泉水と地下水が様々な割合で混合し、多種多様な泉質が形成されました。