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玄武岩 : (英語)basaltげんぶがん 火山岩のうち、ケイ酸(シリカ;SiO2)の濃度が53重量%に達しないものを、玄武岩と言います。基本的な火山岩であり、その化学組成はマントル物質に近いと考えられています。太平洋・大西洋・インド洋などの中央海嶺では、現在もマントル物質が湧き上がり、新しい海洋底(海洋地殻)が生まれていますが、その岩石が玄武岩です。海洋地殻は地球表面の約70%を占め、花こう岩を主体とする大陸地殻の底部の岩石は玄武岩に近いという有力な説がありますので、地球の表層部は玄武岩で覆われているとも言えます。 金属成分の多い玄武岩は、黒っぽい色をしています。また、噴火直後の玄武岩溶岩(液体)は、粘性が小さく、流れやすいので、玄武岩溶岩が作り出す地形は、ハワイ島のマウナケアやマウナロアのように、なだらかな高原状になります。(外部サイトには、沢山の写真が公開されています。)
「玄武」とは、亀と蛇の化身を想像した黒色の動物で、四神の一つとして北を守っているとされています。江戸時代の後期・文化4年(1807年)、豊岡の石材採掘場跡の洞窟を訪れた幕府の儒学者・柴野栗山は、柱状節理を呈する岩石の蛇のような細長い形状や亀の甲羅模様の断面から「玄武」を連想して、「玄武洞」と名付けたと言われます。なお、他の三方を守る神は、南が朱雀(赤色)、東が青龍(青色)、西が白虎(白色)で、朱雀洞・青龍洞・白虎洞と名付けられた洞窟もあります。
玄武洞に残されている地球磁場逆転の証拠 〔注:駅館はやっかんと読みます。〕
帝国学士院紀要に掲載された松山教授の論文: (由佐悠紀)
地質調査所(1988):地域地質研究報告(5万分の1地質図幅)別府地域の地質.
社団法人全国地質調査業協会連合会など(2007):日本列島ジオサイト地質百選,オーム社. 国立天文台(2012):「理科年表 平成25年」,丸善株式会社. 豊岡市:玄武洞公園の案内板「玄武洞と玄武岩、名前の由来」 |